風の吹く場所の探し方
風力発電サイトを建設するにあたって、まず始めにするのは建設候補地を探すことです。風車を建設するためには多くの条件がありますが、何よりも「強い風が吹く」ということが重要です。地域や季節、さらには年毎によって風の吹き方は変わります。風を読み取り、どこに強い風が吹くのかを判断するための「探し方」を紹介します。
NEDOの「局所風況マップ」で大まかな目安を付ける
NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)がインターネット上で公表している「局所風況マップ」というデータがあります。日本全国の年間平均風速がメッシュで色分けされていて、地図上で各地域の風速を読み取ることができます。
メッシュは500m四方まで拡大できて、高度による風速の違いも3段階(通常風車のタワーの高さに近い70mを使用)で見ることができるので、どこが強い風の吹く風車建設の適地かをおおよそで知ることができます。
実際に風車を建てる際にはより詳細なデータが必要ですが、これを足がかりにその他の「探し方」に手順を広げていくことができます。
自分たちで探す
実際に、現地を訪れ風の様子を見たり地域の方々に話を聞くなどして風車の適地かを検証していくこともあります。運転中に何となく気になって車を降りてみたら風のいい場所だった、ということも。うわさ話や先人の知恵、自身の五感など風との出会いのきっかけは様々です。
・地域に根付いた情報から知る
地域の実際の風の良し悪しや、特に強く風が吹く場所、周辺の地質の状態などは地域の方々の情報の方が的確な場合もあります。実際にその地域で暮らしているからこそわかることは、なにより貴重な情報です。
また、宗教的な聖地(神様が祭られている)、地域文化にとって大切な場所、歴史的な謂れのある場所など地図には載っていない事柄は地域の方々に聞かなければわかりません。そしてそのような場所は、今後も大切にしていかなくてはなりません。そのため、風車の適地を探す上で、地域の方々の声を聞くことはとても重要です。
・地域の名前をヒントにする
風に由来する名前のつく場所、建造物等が周辺にあると励まされることもあります。本当にその場所には良い風が吹くのではないかと期待が持てるからです。そうした、少し変わった風の見方もあります。
これら方法で見つけたサイトは「豊北ウインドファーム」です。
公募によって知る
公募というと、風力発電サイトを必要としている地域が風力発電会社を募集するように聞こえますが風力発電事業においての公募は少し意味合いが違ってきます。
地方都市ではその地域で発電される電力で十分にまかなうことができるため、電力会社は追加電力を受け入れない場合があります。また、風力発電の送電設備が小規模用のため地域によっては既存の送電設備に接続できない場合もあります。そうしたことから立地条件などから地方都市に電力を供給することが多い風力発電事業の新規参入が難しい現状があります。
しかし、電力会社によっては新エネルギーの導入を積極的に行うために風力発電でつくられた電気を買い取りたい場合や、風力発電の送電設備と接続できる設備が整っている場合もあります。そういった電力会社が風力発電事業者を募集することがここにおける公募となります。
公募は風力発電サイトを必要としている電力会社が行う募集なので、ひとつの大切な情報です。
紹介を受ける
風力発電に関心があったり風車を建てたいと考える自治体や地権者の方を紹介して頂く場合があります。また「風が良い場所」を紹介して頂く場合も。人と人との関わりを大切にすることも良い風の探し方の一つです。「南あわじウインドファーム」「伊豆熱川ウインドファーム」などを紹介して頂きました。
事前調査と地元の方への説明
風車が建てられる場所かの事前調査
上記の方法などから強い風が吹くと期待できる風車建設候補地を絞り込みます。場合によっては風車が建てることのできない土地があるので、その候補地の規制などを事前に調査します。
建設地域の方への説明
建設候補地が絞られ風力発電サイトの計画を進めるにあたり、市町村や自治会、地権者や地域住民の方などに段階的に説明を行っていきます。風力発電事業は認知度こそ高くなっているものの、一般に可能性や必要性までは認識されるに至っていません。風車に関して、またそれに携わる事業者としてのCEFについても詳しく説明し理解を深めていただけるよう心がけています。建設計画や各種調査の進捗情報に関する説明会、周辺住民の方々への説明会も随時行っていきます。 また風車を建てるだけでなく、CEF独自の視点で「1次産業への貢献」や「観光資源としての風力発電サイト」など、その地域を活性化できる事業計画を話し合いの中で模索していきます。